飯田市、国民健康保険の滞納債権放棄を決定!住民負担軽減への道とは?

2025-06-19
飯田市、国民健康保険の滞納債権放棄を決定!住民負担軽減への道とは?
南信州新聞電子版

長野県飯田市では、国民健康保険の加入者が資格を失った後に医療機関を受診した際の医療費について、返還請求をせずに時効を迎えてしまった滞納債権に関する議案が、市議会6月定例会において原案通り可決されました。この決定は、多くの住民にとって大きな影響を与える可能性があります。

なぜ債権放棄が必要なのか?

飯田市がこの議案を提出した背景には、時効を迎えた滞納債権の回収が困難であるという現実があります。これらの債権は、長期間にわたって回収の試みが行われてきましたが、様々な理由により、最終的に回収が不可能となってしまいました。債権を抱えたままにしておいても、市の財政負担が増加するのみで、住民への利益には繋がりません。そこで、市はこれらの債権を放棄することで、財政の健全化を図り、より住民に貢献できる事業に資源を振り向けることを目指しています。

議会での審議と可決

市議会6月定例会における社会文教委員会の審議では、債権放棄の必要性や、住民への影響について活発な議論が行われました。市側の説明では、債権放棄が市の財政状況の改善に繋がるだけでなく、住民の不安を軽減し、市への信頼を高める効果も期待できると強調されました。最終的に、委員会は原案を賛成多数で可決し、全議会においても同様の結果となりました。

住民への影響と今後の展望

今回の債権放棄は、時効を迎えた滞納債権を抱えている住民にとっては、返還金の負担から解放されるというメリットがあります。しかし、一方で、国民健康保険制度の信頼性への影響を懸念する声も上がっています。市は、今回の決定を機に、国民健康保険制度の周知徹底や、未納滞納金の早期回収に向けた取り組みを強化していく方針です。今後は、住民と市が協力し、国民健康保険制度の持続可能性を確保していくことが重要となります。

飯田市の財政と今後の課題

飯田市は、少子高齢化や人口減少といった課題に直面しており、財政状況も厳しい状況にあります。今回の債権放棄は、財政の健全化に向けた一つの措置ですが、根本的な解決には至りません。今後は、歳入の確保と歳出の削減の両面から、財政の立て直しを図っていく必要があります。そのためには、地域経済の活性化や、新たな税収源の確保などが求められます。また、住民サービスの維持・向上も重要な課題であり、市は、住民のニーズに応えながら、効率的な行政運営を目指していく必要があります。

今回の債権放棄決定は、飯田市の財政状況と住民への影響を考慮した結果であり、今後の市行政の方向性を示すものと言えるでしょう。住民は、市の取り組みを注視し、積極的に市政に参加していくことが求められます。

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