学歴が長生きにつながる?教育年数と健康寿命の意外な関係に迫る!
2025-06-15

週刊エコノミスト Online
教育と健康寿命、意外な関係が明らかに?
「教育は健康に良い影響を与える」と言われることが多いですが、具体的にどのような関係があるのでしょうか? 経済学者である佐藤豪竜氏の研究によると、教育年数と健康寿命には密接な関係がある可能性が示唆されています。
米国での研究結果:教育年数1年増で死亡率が約5%低下
同様の傾向は、米国でも確認されています。20世紀前半の米国は、州ごとに義務教育年数が異なっていました。この制度的な違いを「自然実験」と捉え、研究チームは教育年数と死亡率の関係を分析しました。
その結果、教育年数が1年延びるごとに、死亡率が約5%低下するという驚くべき結果が得られたのです。これは、単なる相関関係ではなく、教育が健康に与える因果的な影響を示唆しています。
操作変数法:因果関係を検証する統計手法
この研究では、「操作変数法」と呼ばれる高度な統計手法が用いられています。操作変数法は、単なる相関関係だけでなく、変数の間の因果関係を検証するために用いられる手法です。教育と健康の間には、所得や社会経済的地位など、他の要因が影響している可能性がありますが、操作変数法を用いることで、これらの要因を考慮した上で、教育が健康に与える影響をより正確に評価することができます。
なぜ教育が健康寿命を延ばすのか?
では、なぜ教育が健康寿命を延ばすのでしょうか? 考えられる要因としては、以下の点が挙げられます。
- 健康に関する知識の増加:教育を受けることで、健康的な生活習慣や病気の予防に関する知識が増え、より適切な行動をとることができるようになります。
- 所得の増加:一般的に、教育年数が長いほど所得が高くなる傾向があります。所得が増えることで、より良い医療サービスを受けたり、健康的な食品を購入したりすることが可能になります。
- 社会経済的地位の向上:教育は、社会経済的地位を向上させることにもつながります。社会経済的地位が高いほど、ストレスが軽減され、より健康的な生活を送ることができる可能性があります。
- 良好な人間関係の構築:教育機関での学習を通じて、良好な人間関係を構築し、社会的なサポートネットワークを得ることができます。
まとめ:教育は健康投資としての価値がある
教育は、単に知識やスキルを習得するだけでなく、健康寿命を延ばすことにもつながる可能性があるという研究結果が出てきました。教育は、将来への投資であると同時に、健康への投資でもあると言えるでしょう。