ドーピング容認の「エンハンスド・ゲームズ」開催へ!スポーツ医学界の権威が警鐘鳴らす - 倫理とスポーツの未来

2025-06-30
ドーピング容認の「エンハンスド・ゲームズ」開催へ!スポーツ医学界の権威が警鐘鳴らす - 倫理とスポーツの未来
東スポWEB

来年5月に米国ネバダ州ラスベガスで初開催される「エンハンスト・ゲームズ」。この大会は、ドーピングを容認する革新的なスポーツ国際大会として、スポーツ界に大きな波紋を呼んでいます。従来のスポーツの常識を覆すこの試みに対し、スポーツ医学界の権威たちが警鐘を鳴らす声が上がっています。

特に、サッカースペイン1部の名門レアル・マドリードでチーフメディカルアドバイザーを務め、「Sports Doctors Network」のニコ・ミヒッチCEOは、この大会がもたらす倫理的、医学的な問題点を指摘しています。Sports Doctors Networkは、世界的強豪チームの医師らを集め、競技者と一般の健康増進にも活動の幅を広げる組織であり、ミヒッチCEOの発言は、スポーツ医学界における深刻な懸念を示唆しています。

エンハンスド・ゲームズとは?

エンハンスド・ゲームズは、アスリートがパフォーマンス向上を目的として、遺伝子ドープやサプリメントの使用を容認する新しいスポーツ大会です。従来のドーピング検査とは異なり、事前に使用する薬剤を申告し、その上で競技を行うというルールが特徴です。この大会の目的は、科学技術の進歩を取り入れ、スポーツの限界に挑戦することにあります。

スポーツ医学界の懸念点

ミヒッチCEOをはじめとするスポーツ医学界の権威たちは、エンハンスド・ゲームズがもたらす以下の懸念点を指摘しています。

  • 健康リスクの増大: ドーピングの使用は、アスリートの健康に深刻なリスクをもたらす可能性があります。遺伝子ドープや高濃度のサプリメントの使用は、未知のリスクを伴うため、長期的な健康への影響は未知数です。
  • 競技の公平性の喪失: ドーピングの使用を容認することで、競技の公平性が損なわれる可能性があります。経済力のあるアスリートが、より高度なドーピング技術を利用することで、格差が拡大する恐れがあります。
  • スポーツ倫理の崩壊: ドーピングを容認することは、スポーツ倫理の根幹を揺るがす可能性があります。フェアプレーの精神を重視するスポーツの価値観が失われる恐れがあります。
  • 若年層への悪影響: 若いアスリートが、エンハンスド・ゲームズのような大会を模倣し、無計画なドーピングに手を染める可能性があります。将来のスポーツ界を担う若者たちの健康を脅かす可能性があります。

今後のスポーツのあり方

エンハンスド・ゲームズの開催は、スポーツの未来を問う大きな転換点となります。科学技術の進歩とスポーツの倫理、そしてアスリートの健康を守るためには、社会全体で議論を深め、新たなルールやガイドラインを策定する必要があります。スポーツの持続可能性を確保するためには、ドーピングの問題だけでなく、アスリートのメンタルヘルスや環境問題にも目を向ける必要があります。

スポーツは、人々の健康増進や社会の発展に貢献するべき存在です。エンハンスド・ゲームズのような大会が、スポーツの価値観を歪めないよう、慎重な議論と対応が求められます。

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