【金融庁 警告】地方銀行の預金流出リスク深刻!金利上昇対策は急務 - 前期決算を対象に検証開始
2025-05-21

日本経済新聞
金融庁、地方銀行に預金流出リスクへの警戒を呼びかけ
金融庁が、全国の地方銀行に対し、金利上昇局面で起こりうる預金流出リスクへの備えを強く求めています。これは、米国で金利上昇に耐えきれず経営危機に陥ったシリコンバレーバンクの破綻を受け、日本国内の金融機関にも同様のリスクがないか警戒を促すものです。
シリコンバレーバンク破綻の影響
シリコンバレーバンクの破綻は、金利上昇と銀行の資産負債管理の不備が複合的に作用した結果です。金利上昇により、銀行が保有する債券の価値が下落し、預金者が一斉に預金を引き出すことで経営が立て直せなくなったのです。この連鎖的な破綻は、世界中の金融市場に不安を与えました。
地方銀行における金利リスク検証の開始
金融庁は、今回のシリコンバレーバンクの事例を教訓に、日本の地方銀行における金利リスクの検証を開始しました。対象となるのは、地方銀行と第二地方銀行で、2025年3月期の決算を重点的に検証します。銀行に対し、金利上昇に備えたリスク管理体制の見直しを求めています。具体的には、預金流出に対するシミュレーションや、金利変動リスクをヘッジするための対策などが求められると予想されます。
地方銀行が直面する課題
地方銀行は、全国的な人口減少や高齢化の影響を受け、融資先の業績が悪化するケースも少なくありません。さらに、金利上昇は、住宅ローン金利の上昇を通じて、個人や企業の借入負担を増加させる可能性があります。預金金利の上昇は、銀行の収益を圧迫し、預金流出を加速させる要因にもなり得ます。
今後の展望
金融庁は、地方銀行に対し、金利リスクの検証結果に基づき、必要な対策を講じるよう指導していく方針です。銀行は、預金流出リスクに備え、資産負債のバランスを見直したり、新たな収益源を確保したりするなど、抜本的な対策を講じる必要があります。また、預金者に対しても、銀行の健全性に関する情報開示を強化し、信頼回復に努めることが求められます。