鎌田實先生が語る、健康寿命を豊かにする「仕組みづくり」とは? 長野県の奇跡から学ぶ、病気を寄せ付けない秘訣
2025-03-17

佐賀新聞
かつて脳卒中の多発地として知られた長野県。しかし今では、健康長寿のモデル県として全国から注目されています。この劇的な変化の裏には、医療だけでは成し得ない、ある重要な要素があったのです。
50年前の長野県:不健康県からの脱却
私が長野県に赴任したのは、50年前のこと。当時の長野県は、脳卒中の多発地域であり、県民の平均寿命は短いという深刻な状況でした。医師たちは懸命に治療にあたっていましたが、命を救っても、寝たきりの生活を余らす患者さんの姿に、救われるものは限られていました。
健康長寿県への転換:医療以外の重要な要因
長野県が健康長寿県へと劇的に変わったのは、「医療」だけでは説明できません。その要因として最も大きいのは、県民一人ひとりの意識改革と、生活習慣の改善です。単に病気を治療するのではなく、病気を未然に防ぐための「仕組みづくり」こそが、健康寿命を豊かにする鍵となるのです。
鎌田實先生が提唱する「仕組みづくり」とは?
鎌田實先生は、「病気を治す医療」から「病気を予防する医療」へとパラダイムシフトを起こしました。その中心となるのが、「仕組みづくり」という考え方です。具体的には、以下の3つの要素が重要となります。
- 住民の主体性を引き出す:県民が自らの健康を管理する意識を高め、主体的に健康づくりに取り組むように促します。
- 生活習慣の改善を促す:バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠など、健康的な生活習慣を身につけるための環境を整えます。
- 地域社会との連携:医療機関、行政、企業、地域住民が連携し、健康づくりを推進するためのネットワークを構築します。
長野県の事例から学ぶこと
長野県では、これらの「仕組みづくり」を実践することで、脳卒中の発症率を劇的に低下させ、平均寿命を延ばすことに成功しました。これは、医療の進歩だけでなく、県民一人ひとりの健康意識と、地域社会の協力が不可欠であることを示しています。
私たちにできること:健康寿命を豊かにするために
長野県の事例は、私たちにも多くの示唆を与えてくれます。日々の生活の中で、健康的な習慣を身につけ、地域社会とのつながりを大切にすることで、健康寿命を豊かにすることができるはずです。鎌田實先生が提唱する「仕組みづくり」を参考に、今日からできることを始めてみませんか?