木戸季市さん、岐阜県原爆被爆者会会長を退任へ - 健康上の理由を語る
2025-05-16

沖縄タイムス
昨年、ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の木戸季市事務局長(85歳)が、岐阜県原爆被爆者会の会長を辞任することを発表しました。長年にわたり被爆者の声を代弁し、平和運動を推進してきた木戸さんの決断に、国内外から注目が集まっています。
会長退任の理由 - 健康上の問題
木戸さんは16日、共同通信の取材に対し、「健康上の理由から会長を続けることが難しくなった」と語りました。85歳という年齢を重ね、長年の活動が体に負担をかけていたのかもしれません。しかし、木戸さんは退任後も、「被爆者として生きてきた、この生き方を最後まで全うしたい」と強い決意を示しています。
5歳で被爆 - 悲惨な体験と平和への誓い
木戸さんは5歳の時、長崎市の爆心地から約2キロの自宅前で被爆しました。その時の光景は今も鮮明に記憶に残っており、その悲惨な体験が、木戸さんの人生を大きく左右しました。被爆者としての苦しみと、平和への強い願いを胸に、木戸さんは長年にわたり、核兵器廃絶と平和構築のための活動に尽力してきました。
被団協事務局長として - ノーベル平和賞受賞
木戸さんは、被団協の事務局長として、被爆者のための医療支援や、核兵器禁止に向けた国際的な活動を積極的に展開しました。その活動は世界的に評価され、2017年には被団協の一員として、ノーベル平和賞を受賞しました。この受賞は、被爆者の苦しみと平和への願いが、世界に広く知られるきっかけとなりました。
今後の展望 - 被爆者の思いを未来へ
木戸さんの退任は、岐阜県原爆被爆者会にとって大きな転換期となるでしょう。しかし、木戸さんの平和への思いは、後継者たちへと受け継がれていくはずです。被爆者の記憶を風化させず、未来の世代に平和の大切さを伝えるため、木戸さんの活動はこれからも続いていくでしょう。
木戸季市さんの長年の活動に敬意を表するとともに、今後のご健康と、さらなる平和への貢献を心よりお祈り申し上げます。