建設現場アスベスト被害、国への賠償請求訴訟が全国初!迅速な救済を求める訴えとは

2025-06-25
建設現場アスベスト被害、国への賠償請求訴訟が全国初!迅速な救済を求める訴えとは
毎日新聞

建設現場でのアスベスト(石綿)による肺がん発症、苦境に立つ元搬送業者

建設現場でアスベストを吸い込み、肺がんを発症した元石綿建材搬送業者の男性が、迅速な救済を求める「建設石綿給付金」が支給されなかったことに対し、国に対して1150万円の賠償を求める訴訟を大阪地方裁判所に提訴する運びとなりました。この訴訟は、建設石綿給付金の不支給に対する国賠訴訟として、全国で初めての事例となります。

建設石綿給付金とは?迅速救済の仕組み

建設石綿給付金は、建設現場でのアスベスト被害者を迅速に救済するための制度です。これまで、被害者が裁判所に訴え、判決を待ってから補償を受ける必要がありましたが、この制度の導入により、裁判所の判断を待たずに、事業者責任の所在が明らかになった場合、被害者に対して迅速に給付金が支払われるようになります。

なぜ給付金が支給されなかったのか?

今回の訴訟では、男性は建設石綿給付金が支給されなかったことが、自身の経済的な苦境を深めていると訴えています。アスベストによる健康被害は、治療費や生活費の負担が大きく、早期の救済が不可欠です。しかし、適切な給付金が支給されなかったことで、男性は深刻な状況に追い込まれています。

最高裁判決と国の責任

建設石綿被害に関しては、2021年5月、最高裁判所が国の規制怠りを違法とする判決を下しています。この判決は、国にアスベスト被害者への救済責任を強く認識させるものであり、今回の訴訟も、その責任を追及する動きの一つと言えます。

今後の展開と期待される変化

今回の訴訟が、建設石綿被害者への救済制度の改善につながることを期待する声が多く寄せられています。迅速な救済の重要性は広く認識されており、国がこの訴訟を通じて、被害者への責任を再確認し、より適切な救済措置を講じることを求める声は高まっています。

この訴訟の行方、そして建設石綿被害者への救済制度がどのように変化していくのか、注目が集まっています。

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