富士山 遭難救助の有料化へ?山梨県・富士吉田市長「タクシーのように」自己負担を提案
富士山の閉山期間中の遭難救助体制について、山梨県富士吉田市の堀内茂市長が「有料化」を提案しました。13日の定例記者会見で、堀内市長は遭難者に対して一定の自己負担を求める制度の整備を県などに要望する意向を示しました。
近年、富士山での遭難救助事例が後を絶たず、県や市町村の負担が増加しています。特に、閉山期間中は天候が不安定で遭難のリスクが高まるため、より一層の対策が求められています。堀内市長は、「タクシーを呼ぶような心構えで登山する人が増えている」と指摘し、安易な登山や自己責任の欠如が原因で救助を求める人が出ている現状を憂慮しています。
具体的な有料化の仕組みについては、まだ検討段階ですが、遭難者の状況や救助にかかる費用に応じて自己負担額を設定する方向性が考えられます。例えば、軽微な怪我での救助であれば少額の負担、高度な救助が必要な場合は高額の負担となるなど、段階的な料金設定も検討されるかもしれません。
今回の堀内市長の提案は、富士山の安全確保と救助体制の維持・改善を目的としています。自己負担を求めることで、遭難者に対する意識を高め、より慎重な登山を促す効果が期待されます。しかし、一方で、経済的な理由で救助を求めることを躊躇する人が出てくる可能性も指摘されています。
同様の意見は以前から出されており、静岡県富士宮市の須藤秀忠市長も「救助費用を遭難者の負担にするべきだ」と発言しています。山梨県と静岡県で意見が一致したことで、今後、富士山の遭難救助制度の見直しが進む可能性があります。
富士山は日本を代表する山であり、多くの登山者で賑わっています。しかし、その一方で、遭難のリスクも伴います。堀内市長の提案は、登山者一人ひとりが安全に対する意識を高め、自己責任に基づいた登山を行うことの重要性を改めて認識させるきっかけとなるでしょう。
今後、山梨県や静岡県、そして関係機関が連携し、富士山の安全対策と救助体制の改善に向けて、具体的な議論を重ねていくことが期待されます。