ネット証券の口座乗っ取り被害、SBI証券・楽天証券は半額補償を検討へ!大手対面型証券は全額補償で対応が大きく異なる理由とは?
2025-07-11
朝日新聞
近年、巧妙化するサイバー攻撃により、証券口座の不正アクセス、いわゆる「口座乗っ取り」被害が深刻化しています。特に、株式が勝手に売買されるといったケースでは、顧客の損失が拡大し、大きな不安を招いています。そこで、大手ネット証券と対面型証券の対応に注目が集まっています。
ネット証券大手5社、被害補償を一部に留める方向で最終調整
SBI証券、楽天証券をはじめとするネット証券大手5社は、顧客への被害補償を原則として一部にとどめる方向で最終調整に入りました。検討されているのは、損害額の2分の1の金銭補償を軸とした内容です。背景には、サイバー攻撃の高度化や、補償範囲を広げることによる経営への影響などが考えられます。
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対面型証券大手4社は「原状回復」で事実上の全額補償
一方、野村証券などの対面型証券大手4社は、顧客への信頼を重視し、最大で事実上の全額補償となる「原状回復」に応じる方針を決定しています。対面でのサポート体制が整っていることや、顧客との関係性を重視する経営姿勢などが影響していると考えられます。
ネット証券と対面型証券の対応の違いは?
- ネット証券: 損害額の2分の1の金銭補償を検討(一部補償)
- 対面型証券: 事実上の全額補償となる「原状回復」を検討(全額補償)
口座乗っ取り被害を防ぐための対策
このような状況を受け、利用者一人ひとりがセキュリティ対策を強化することが不可欠です。以下に、口座乗っ取り被害を防ぐための対策をいくつかご紹介します。
- ID・パスワードの使い回しをしない
- 推測されにくい複雑なパスワードを設定する
- ワンタイムパスワードや生体認証などの二段階認証を設定する
- 不審なメールやSMSに注意し、安易にリンクをクリックしない
- セキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つ
- 定期的に取引履歴を確認し、不審な取引がないか確認する
まとめ
口座乗っ取り被害は、誰にでも起こりうる深刻な問題です。ネット証券と対面型証券の補償方針の違いを理解し、自身でできるセキュリティ対策を徹底することで、被害に遭うリスクを最小限に抑えることができます。今後も、証券会社のセキュリティ対策強化と、利用者のセキュリティ意識向上が求められます。