万博駅にできた「カームダウン・スペース」が物議?当事者からは「期待外れ」の声も

2025-05-13
万博駅にできた「カームダウン・スペース」が物議?当事者からは「期待外れ」の声も
毎日新聞

万博駅にできた「カームダウン・スペース」が物議?当事者からは「期待外れ」の声も

大阪・関西万博の最寄り駅として、2024年1月に開業した大阪メトロ夢洲(ゆめしま)駅に、感覚過敏を持つ人向けの「カームダウン・クールダウンスペース」が設置されました。これは、強い光や大きな音に過敏に反応する感覚過敏の症状を持つ人々が、音や光を遮断し、落ち着ける空間として設計されたものです。全国の鉄道駅で初めて設置されたという、画期的な試みであると期待されていました。

しかしながら、実際に利用した当事者からは、残念ながら「期待外れ」という声も上がっています。どのような点が問題になっているのでしょうか?

感覚過敏とは?

感覚過敏とは、光、音、匂い、触覚などの感覚刺激に対して、一般の人よりも強く反応してしまう状態です。日常生活において、スーパーマーケットの蛍光灯、電車内のアナウンス、人混みのざわめきなどが大きなストレスとなり、疲労や混乱を引き起こすことがあります。感覚過敏は、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠陥・多動症(ADHD)などの発達障害を持つ人に多く見られる傾向がありますが、誰でも程度の差はあれど経験する可能性があります。

夢洲駅のカームダウン・スペースとは?

夢洲駅のカームダウン・スペースは、遮光カーテンや調光可能な照明、ノイズキャンセリング機能などを備え、感覚刺激を最小限に抑えることができるように設計されています。利用者は、この空間で休息を取り、心身を落ち着かせることで、万博会場へのスムーズなアクセスを支援することを目的としています。

当事者からの声

しかし、実際に利用した感覚過敏を持つ当事者からは、「期待したほどではない」という声が上がっています。具体的には、以下の点が指摘されています。

運営企業のコメント

カームダウンスペースの販売を手がける企業「クリスタルロード」は、これらの意見に対して、「設置場所の制約など、様々な事情があった」と説明しています。また、「今後の改善に努め、より快適な空間を提供できるよう努力していく」とコメントしています。

今後の展望

万博という特別なイベントを機に、感覚過敏を持つ人々への配慮が注目されるようになりました。夢洲駅のカームダウン・スペースの課題を踏まえ、より実効性のある、利用者のニーズに合った空間づくりが求められています。今後は、他の鉄道駅や公共施設でも、感覚過敏を持つ人々が安心して利用できるような空間の設置が広がっていくことが期待されます。

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