ミャンマー地震:建物の崩壊に「パンケーキクラッシュ」発生か? 浅い震源と脆弱な耐震性が複合的に影響
2月28日にミャンマー中部を襲ったマグニチュード7.7の地震により、震源地に近いマンダレーでは多くの建物が崩壊するという痛ましい事態が発生しました。この地震で甚大な被害が出た背景には、建物の耐震性の脆弱性と、今回の地震の浅い震源という特徴が複合的に影響していると考えられます。
防災科学技術研究所の佐藤栄児主任研究員(振動工学)によると、今回の地震は震源が非常に浅かったため、地表レベルでの揺れが非常に大きかったと予想されます。日本の建築基準に比べ、ミャンマーの建物は耐震性が低い傾向にあるため、震源に近い地域では、地震発生からわずか30~40秒という短い時間で建物が崩壊した可能性が高いと指摘しています。
専門家は、この現象を「パンケーキクラッシュ(Pancake Crash)」と呼んでいます。これは、建物がまるでパンケーキのように、一層ずつ崩れ落ちていく現象を指します。この現象は、建物同士が密集している地域で特に発生しやすく、今回のミャンマー地震でも、マンダレーの都市部で多く見られました。
地震の揺れは、建物の構造や地盤の状況によって大きく異なります。ミャンマーの多くの建物は、木造やレンガ造りのものが多く、これらの建物は地震に弱い構造です。また、地盤が軟弱な地域では、揺れが増幅され、建物への被害がさらに大きくなる可能性があります。
今回の地震を受けて、ミャンマー政府は緊急支援活動を展開していますが、今後の課題は、建物の耐震性を高めることです。建築基準の強化や、既存の建物の耐震補強など、長期的な視点での対策が求められます。また、地震に対する住民の防災意識を高めることも重要です。
国際社会も、ミャンマーへの支援を継続していく必要があります。地震対策の専門家を派遣したり、耐震技術の指導を行うことで、将来の地震被害を軽減することができます。そして、ミャンマーの人々が安心して暮らせる社会を築くために、私たち一人ひとりができることを考えて行動していくことが大切です。
今回のミャンマー地震は、私たちに改めて自然の脅威を認識させるとともに、防災の重要性を再認識させてくれました。海外の地震を受けて、日本も過去の教訓を生かし、より安全な社会を築いていく必要があるでしょう。