熱中症対策は必須!夏のスポーツ大会運営で「大丈夫」と安易に判断できない理由とは

2025-07-09
熱中症対策は必須!夏のスポーツ大会運営で「大丈夫」と安易に判断できない理由とは
信濃毎日新聞デジタル

夏のスポーツ大会シーズンが到来し、熱戦を繰り広げる選手たちの姿が目に浮かびます。しかし、近年ますます深刻化する熱中症のリスクは、大会運営者にとって大きな課題となっています。甲子園をはじめとする大会では、猛暑の中での開催が相次ぎ、選手の健康を守るための対策が急務となっています。

コラム「硬面軟面」では、編集委員の小平匡容さんが、夏のスポーツ大会運営における熱中症対策の重要性について考察します。厳しい暑さの中での大会開催は、過去にも例がなく、選手の安全を最優先に考える必要があります。

なぜ「鍛えているから大丈夫」では済まないのか?

「鍛えているから大丈夫だろう」という安易な考えは、熱中症対策において非常に危険です。アスリートは確かに日頃から厳しいトレーニングを積んでいますが、それでも熱中症から完全に免疫があるわけではありません。特に、夏の高温多湿な環境下では、どんなに体力のある選手でも体調を崩す可能性があります。

具体的な対策とは?

では、どのように熱中症対策を行うべきでしょうか?以下に、大会運営者が実施すべき具体的な対策をいくつかご紹介します。

  • こまめな水分補給の推奨:選手だけでなく、観客に対してもこまめな水分補給を呼びかけましょう。
  • 休憩時間の確保:選手の体調管理のため、適切な休憩時間を設けましょう。
  • 日陰の確保:観客席や選手用スペースに日陰を確保し、直射日光を避けるようにしましょう。
  • 体温測定の実施:選手の体温を定期的に測定し、異常があれば速やかに対応しましょう。
  • 救護体制の整備:万が一の事態に備え、救護スタッフの配置や救急車の手配など、救護体制を整えておきましょう。
  • WBGT値(暑さ指数)の確認:WBGT値を常に確認し、危険な場合は試合の中止や延期を検討しましょう。

大会運営者の責任

夏のスポーツ大会の運営者は、選手の安全を守る責任があります。熱中症は、適切な対策を講じることで予防可能な病気です。大会運営者は、熱中症のリスクを十分に認識し、万全の対策を講じることで、選手や観客が安心して大会を楽しめる環境を整備する必要があります。

今年の夏は、記録的な猛暑が予想されています。夏のスポーツ大会運営者は、過去の経験を踏まえ、より一層の熱中症対策を強化し、安全な大会運営を目指しましょう。

小平匡容(編集委員)

おすすめ
おすすめ