老後資金、預金型DCの落とし穴!金融庁レポートが警鐘 - インフレリスクと金融機関ごとの実態
2025-07-27

毎日新聞デジタル
老後資金の備えとして注目される確定拠出年金(DC)
確定拠出年金(DC)は、加入者自身が運用商品を選び、資産形成を目指す制度として、老後資金対策の有力な選択肢の一つです。しかし、預金などの元本保証型商品ばかりを選んでしまうと、インフレによって実質的な資産価値が目減りしてしまうというリスクがあります。
金融庁レポートが明らかにする実態
金融庁が2025年6月に発表したレポートは、この問題に警鐘を鳴らしています。そのレポートによると、金融機関によって、元本保証型商品を選ぶ加入者の割合に大きな差があることが判明しました。これは、金融機関の提案方法や、加入者への説明不足などが影響している可能性が考えられます。
なぜ預金型を選んでしまうのか?
加入者が預金型商品を選んでしまう背景には、以下のような要因が考えられます。
- リスクを避けたいという心理:投資経験が少ない場合、元本保証がある預金を選びたくなるのは当然です。
- 金融機関からの説明不足:DCの仕組みや、インフレリスクについて十分な説明がない場合、加入者は適切な判断ができません。
- 商品選択の自由度の低さ:金融機関によっては、取り扱い商品が限られており、預金型しか選択肢がない場合もあります。
インフレリスクとは?
インフレとは、物価が継続的に上昇する現象です。例えば、現在100万円で買えるものが、1年後には102万円になっているといった状況です。預金金利がインフレ率を下回ると、実質的な資産価値は目減りしてしまいます。老後資金は長期間にわたって運用されるため、インフレリスクを考慮した運用が不可欠です。
金融機関に求められる役割
金融庁のレポートは、金融機関に対し、加入者に対して適切なアドバイスと情報提供を行うことを求めています。具体的には、以下の点が重要です。
- リスク許容度に応じた商品提案:加入者の年齢や投資経験、将来の目標などを考慮し、最適な運用プランを提案する必要があります。
- インフレリスクに関する説明:インフレが資産価値に与える影響について、分かりやすく説明する必要があります。
- 多様な商品ラインナップの提供:預金型だけでなく、株式や投資信託など、リスクとリターンが異なる多様な商品を提供することで、加入者の選択肢を広げる必要があります。
加入者が取るべき行動
加入者は、自身の状況をしっかりと把握し、積極的に金融機関に相談することが重要です。また、DCの仕組みや運用方法について、自分で学ぶことも大切です。
まとめ
確定拠出年金は、老後資金を計画的に形成するための有効な手段です。しかし、預金型商品ばかりを選んでしまうと、インフレによって資産価値が目減りしてしまう可能性があります。金融機関と連携し、適切な運用プランを選択することで、豊かな老後生活を実現しましょう。