リニア中央新幹線、飯田市住民の期待と失望:開業断念後の意識調査で変化

2025-05-15
リニア中央新幹線、飯田市住民の期待と失望:開業断念後の意識調査で変化
信濃毎日新聞デジタル

JR東海が2027年のリニア中央新幹線開業を断念したことを受け、飯田信用金庫が飯田市住民を対象に実施した意識調査の結果が発表されました。調査結果によると、依然として8割の住民がリニアに「期待している」と答えていますが、若年層や高齢層を中心に、開業への期待が「薄れた」と感じる声も目立っています。

開業断念がもたらした影響

2024年3月の調査結果によると、リニアへの期待度は依然として高いものの、開業時期が不透明になったことで、住民の意識に変化が見られます。特に、これまでリニア開業を強く望んでいた若年層や高齢層において、その期待感は薄れている傾向にあります。これは、リニア計画の長期化によって、生活や将来設計への影響がより現実的に感じられるようになったことが要因の一つと考えられます。

世代間の意識の違い

若年層は、リニア開業によって得られる経済効果や生活の利便性への期待が大きかった一方で、開業が先延ばしになることで、将来への不安を感じているようです。一方、高齢層は、リニア開業によって地域活性化に期待する声がある一方で、開業が実現するまでに、自身がその恩恵を受けられるのか疑問を感じている人もいます。

飯田信用金庫の取り組み

飯田信用金庫は、今回の調査結果を踏まえ、地域住民の意識を的確に把握し、今後の地域活性化策に役立てていく方針です。具体的には、リニア計画の進捗状況に関する情報提供や、地域経済の活性化に向けた金融支援策の検討などを進めていく予定です。

今後の展望

リニア中央新幹線は、日本の交通インフラを大きく変革する可能性を秘めたプロジェクトです。しかし、開業の遅れは、地域経済や住民の生活に大きな影響を与えます。飯田市をはじめとする沿線地域においては、リニア計画の実現に向けた粘り強い取り組みと、その実現が遅れる場合の代替策の検討が求められます。

住民の期待と失望が入り混じる現状において、関係者は地域住民の声を真摯に受け止め、より良い未来を築くための努力を続ける必要があります。

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