従業員エンゲージメントは重要?真の組織の健康状態を測るために必要なこと
2025-08-22

沖縄タイムス
従業員エンゲージメントの重要性は日々高まっていますが、それだけでは組織全体の健康状態を正確に把握することはできません。本記事では、エンゲージメント診断市場の現状と課題を解説し、真の意味で組織の健康状態を測るための新たな視点を提供します。
従業員エンゲージメント診断市場の急成長
国内の従業員エンゲージメント診断・サーベイクラウド市場は、目覚ましい成長を遂げています。矢野経済研究所の調査によると、2022年には約67億円、2023年には前年比135.8%増の約91億円に達し、2024年にはさらに118億円規模に拡大すると予測されています。また、SaaS型従業員満足度調査ツール市場(エンゲージメントサーベイツールを含む)も同様に成長しており、BOXIL編集部の推計では、2023年が944.4億円、2024年には1,128.6億円、2025年には1,286.6億円規模に成長すると見込まれています。
エンゲージメント診断の課題と限界
エンゲージメント診断は、従業員の組織への愛着や貢献意欲を測る上で有効な手段ですが、いくつかの課題も存在します。例えば、以下のような点が挙げられます。
- 自己申告によるバイアス: 従業員は、組織に好印象を与えたいという心理から、正直な意見を控えめにする可能性があります。
- 表面的な問題点の洗い出し: エンゲージメント診断では、組織の構造的な問題や、従業員の成長機会の不足といった根本的な課題が見過ごされることがあります。
- 結果の活用不足: 診断結果が出たとしても、具体的な改善策を実行に移さなければ、効果は期待できません。
真の「組織健康診断」とは?
真の「組織健康診断」とは、エンゲージメント診断に加えて、以下の要素を総合的に評価することで、組織全体の健康状態をより深く理解することを目指します。
- 360度評価: 上司、同僚、部下など、様々な立場からのフィードバックを収集することで、従業員の強みや課題を多角的に把握します。
- 組織文化の分析: 従業員の行動や価値観を分析し、組織文化が従業員のパフォーマンスやエンゲージメントにどのように影響を与えているかを評価します。
- 従業員エクスペリエンスの向上: 従業員が組織で働く上でどのような体験をしているかを分析し、より働きやすい環境を整備します。
- マネジメント能力の評価: リーダーシップ、コミュニケーション能力、問題解決能力など、マネージャーの能力を評価し、育成プログラムを提供します。
まとめ:持続的な成長のために
従業員エンゲージメントは、組織のパフォーマンス向上に不可欠な要素ですが、それだけでは不十分です。真の「組織健康診断」を通じて、組織全体の健康状態を把握し、継続的な改善に取り組むことで、持続的な成長を実現することができます。