低所得地域ほど緑地が健康に!神戸大学研究:都市計画の新たな視点

2025-06-19
低所得地域ほど緑地が健康に!神戸大学研究:都市計画の新たな視点
マイナビニュース

都市部における健康格差の解消に、緑地の重要性が改めて浮き彫りになりました。神戸大学を中心とした研究グループが、社会経済的に困窮している地域ほど、緑地や自然への訪問が健康に大きく影響することを発見しました。

研究では、都市部全体を対象に、住民の社会経済状況、緑地への訪問頻度、健康状態、生活満足度などのデータを分析。その結果、社会経済的に余裕のある地域では、緑地への訪問頻度よりもむしろ、生活満足度との関連性が高いことが判明しました。

一方で、社会経済的に困窮している地域では、緑地への訪問頻度が高いほど、健康状態が良い傾向にあることが示されました。これは、低所得地域では、緑地が単なるレクリエーションの場ではなく、心身の健康を維持するための重要な役割を果たしている可能性を示唆しています。

なぜ低所得地域で緑地が重要なのか?

  • ストレス軽減:経済的な不安や社会的な孤立など、低所得地域に住む人々は、より多くのストレスを抱えている可能性があります。緑地は、自然に触れることでストレスを軽減し、精神的な安定をもたらします。
  • 運動不足解消:経済的な理由から、ジムやスポーツクラブに通うことが難しい場合、緑地は気軽に運動できる場所となります。ウォーキングやジョギングなど、手軽な運動を通じて、体力維持や健康増進に役立ちます。
  • コミュニティ形成:緑地は、地域住民が集まり、交流する場としても機能します。地域コミュニティの活性化を通じて、社会的なつながりを深め、孤立感を解消することができます。

この研究成果は、都市計画における緑地や水辺の整備方針を考える上で、重要な示唆を与えます。特に、社会経済的に困窮している地域においては、緑地を積極的に整備し、住民がアクセスしやすい場所に配置することが、健康格差の是正に貢献すると考えられます。

今後の展望

研究グループは、今後は、緑地の種類や規模、利用目的などが、健康への影響にどのように影響するかについて、より詳細な分析を行う予定です。また、緑地の整備だけでなく、地域住民の緑地利用を促進するための取り組みも重要であるとしています。

この研究結果が、より健康で住みやすい都市づくりに貢献することを期待します。

おすすめ
おすすめ