老後資金、本当に足りる?モデル年金額から見えてくる、今すぐ対策すべき現実

「老後の生活費、いくら必要か?」誰もが一度は考えることでしょう。しかし、具体的な数字を把握している人は意外と少ないのではないでしょうか。公益財団法人生命保険文化センターが発表した「生活保障に関する調査」2022(令和4)年度によると、老後生活に必要な費用は、最低限の生活を送るだけでも月23万2000円、ゆとりある暮らしには月37万9000円が必要とされています。
この調査結果から、年金だけでは老後資金が不足する可能性が高いことが明らかになりました。多くの人が、年金だけに頼った老後設計をしており、その現実とのギャップに直面しているのです。
モデル年金額とは?
モデル年金額とは、生活水準を維持するために必要な年金額を試算したものです。調査では、夫婦2人の世帯を想定し、以下の3つの生活水準でモデル年金額を算出しています。
- 最低限の生活:月23万2000円(年278万4000円)
- ゆとりある生活:月37万9000円(年454万8000円)
- 豊かな生活:月56万6000円(年679万2000円)
これらの金額はあくまでモデルケースであり、個人の生活スタイルや価値観によって大きく異なります。しかし、これらの数字は、老後資金について考える上で重要な目安となります。
年金だけでは不十分な理由
日本の年金制度は、現役世代の社会保険料によって支えられています。少子高齢化が進む現代では、現役世代の減少と高齢者の増加により、年金制度の維持が困難になっています。そのため、年金額は以前よりも低下傾向にあり、将来的にさらに削減される可能性も否定できません。
また、年金の受給開始年齢も、今後引き上げられる可能性があります。受給開始年齢が上がれば、受給期間が短くなり、年金額が減少します。
今すぐ始めるべき対策
年金だけに頼った老後設計では、生活水準を維持することが難しくなります。そこで、今からできる対策をいくつかご紹介します。
- iDeCo(個人型確定拠出年金)の活用:iDeCoは、自分で掛金を拠出し、運用する年金制度です。掛金が全額所得控除となるため、節税効果があります。
- NISA(少額投資非課税制度)の活用:NISAは、投資で得た利益が非課税になる制度です。つみたてNISAは、毎月コツコツ積み立てるのに適しています。
- 不動産投資:不動産投資は、家賃収入や売却益を得ることができます。ただし、空室リスクや修繕費用なども考慮する必要があります。
- 副業:本業以外に収入源を確保することで、老後資金を増やすことができます。
- 節約:日々の生活費を見直し、無駄な支出を減らすことで、老後資金を貯めることができます。
まとめ
老後資金は、早めに準備を始めることが重要です。年金だけに頼らず、iDeCoやNISAなどの制度を活用し、積極的に老後資金を準備しましょう。そして、生活習慣を見直し、無駄な支出を減らすことも大切です。今から対策を始めることで、ゆとりある老後生活を送ることができるでしょう。