70歳まで働く?デンマークの年金改革が日本の将来に警鐘!高齢化社会における働き方の課題とは
国際ジャーナリストの木村正人氏が、英国ロンドンから緊急レポートをお届けします。急速な高齢化が進む現代社会において、私たちはいつまで働く必要があり、どのように生きていくべきなのでしょうか?
近年、多くの国で年金制度の持続可能性を確保するため、受給年齢を引き上げる動きが見られます。中でも注目を集めているのが、2040年までに公的年金の受給年齢を67歳から70歳に引き上げるデンマークの改革です。5月22日にデンマーク議会で可決されたこの決定は、賛成81票、反対21票という結果で、大きな波紋を呼んでいます。
なぜ70歳まで働く必要があるのか?
デンマーク政府は、高齢化が進み、労働人口が減少している状況に対応するため、年金受給年齢の引き上げを決定しました。これにより、年金制度の財政的な安定化を図り、将来世代への負担を軽減することを目的としています。しかし、70歳まで働くことは、高齢者にとって肉体的、精神的な負担となる可能性があります。特に、体力的に厳しい仕事に従事している人や、健康上の問題を抱えている人にとっては、大きな試練となるでしょう。
日本の状況と課題
日本もまた、世界でも類を見ないスピードで高齢化が進んでいます。少子化と長寿化が同時に進むことで、年金制度の持続可能性が深刻な課題となっています。現在、日本の年金受給開始年齢は65歳ですが、今後、デンマークの例のように、受給年齢が引き上げられる可能性も十分に考えられます。
もし日本の受給年齢が引き上げられた場合、私たちはいったいどのような働き方をしなければならないのでしょうか? 65歳以降も働き続けるためには、健康維持はもちろんのこと、新たなスキルを習得し、変化に対応できる柔軟性も求められます。また、高齢者が活躍できるような、年齢に関わらず能力を重視する社会システムを構築することも重要です。
ポスト団塊の世代への提言
これから定年を迎える世代は、デンマークの改革を教訓に、自身の働き方を見直す必要があります。健康寿命を延ばし、生涯を通じてスキルアップを図ることはもちろん、社会との繋がりを保ち、生きがいを見出すことも重要です。また、企業は、高齢者が働きやすい環境を整備し、多様な働き方を支援することで、労働力不足の解消に貢献する必要があります。
70歳まで働くことは、決して強制されるものではありません。しかし、高齢化社会においては、働くことの意味を改めて考え、自分らしい生き方を見つけることが、私たち自身の未来を切り開く鍵となるでしょう。
木村正人(国際ジャーナリスト)