米中貿易摩擦激化の兆候か? 4月中国からの対米輸出が大幅減 - トランプ関税の影響は避けられない?
2025-05-09
朝日新聞
米中貿易摩擦、新たな局面へ?4月の対米輸出が大幅減
中国税関総署が発表した4月の貿易統計によると、中国からの米国向け輸出額が前年同月比21.0%減の330億ドル(約4兆8千億円)を記録しました。これは、3月の9.0%増から一転した大幅な減少であり、米中貿易摩擦の影響を改めて浮き彫りにしています。
トランプ関税の高止まりが影響?
この急激な落ち込みの背景には、トランプ米政権が中国製品に課している追加関税の存在が考えられます。4月上旬時点で、これらの関税率は実に145%という高水準に達しており、その影響が徐々に顕在化しつつあると見られています。
「駆け込み輸出」の効果は一時的?
3月には、トランプ関税導入前に中国からの製品を輸入する「駆け込み輸出」が活発化し、輸出額は大幅に増加しました。しかし、その効果は一時的なものであり、4月にはその反動で大幅な減少に転じていると考えられます。
今後の展望:貿易摩擦の長期化は避けられないか
今回の輸出減少は、米中貿易摩擦が単なる駆け引きではなく、長期化する可能性を示唆しています。両国間の交渉は難航しており、今後の動向によっては、中国経済だけでなく、世界経済全体にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
企業は対策を講じるべき
このような状況下では、米中貿易に依存している企業は、サプライチェーンの見直しや、新たな市場開拓など、リスクヘッジのための対策を講じる必要があります。また、貿易摩擦の動向を注視し、柔軟に対応していくことが重要となるでしょう。
専門家の見解
経済アナリストは、「今回の輸出減少は、トランプ関税の影響だけでなく、世界経済の減速も要因として考えられる。今後の両国間の交渉の行方が注目される」と述べています。