米中宇宙開発競争激化!ロケット発射ラッシュの背景と覇権争い、今後の行方は?

2025-08-19
米中宇宙開発競争激化!ロケット発射ラッシュの背景と覇権争い、今後の行方は?
ニューズウィーク日本版

アメリカがロケット打ち上げからわずか3日後、中国も長征10号を打ち上げ、宇宙開発競争が新たな局面を迎えました。かつては科学研究や平和利用の場と見なされていた宇宙が、安全保障という観点からも重要視されるようになり、米中間の覇権争いが激化の一途を辿っています。

米国の積極的な宇宙開発

アメリカは、SpaceX社のような民間企業との連携を強化し、ロケット開発や衛星打ち上げを積極的に進めています。近年では、軍事衛星の打ち上げや宇宙兵器の開発も進められており、宇宙空間における優位性を確立しようとしています。また、月面探査計画「アルテミス計画」を主導し、再び人類を月面に送り込むことを目指しています。これは、単なる科学的探求にとどまらず、宇宙資源の獲得競争の先駆けとも言えるでしょう。

中国の躍進と戦略

一方、中国も宇宙開発において目覚ましい進歩を遂げています。独自の宇宙ステーション「天宮」を建設し、宇宙飛行士の長期滞在を実現するなど、宇宙での活動能力を高めています。また、月面探査機「嫦娥」シリーズによる月探査や、火星探査機「天問1号」による火星探査など、太陽系内の探査活動も積極的に展開しています。さらに、衛星測位システム「北斗」の構築も進めており、GPSに匹敵するグローバルな測位システムを確立しようとしています。

宇宙開発競争の背景と目的

米中が宇宙開発競争を激化させている背景には、以下の要因が考えられます。

  • 安全保障:宇宙空間は、軍事的な脅威に対する監視や攻撃の拠点となり得るため、安全保障上の重要性が増しています。
  • 経済利益:宇宙資源の獲得や宇宙ビジネスの拡大は、経済的な利益をもたらす可能性があります。
  • 技術力:宇宙開発技術は、様々な分野に応用可能であり、国家の技術力を示す指標となります。
  • 国際的な影響力:宇宙開発における成功は、国際的な影響力を高めることにつながります。

今後の展望

米中宇宙開発競争は、今後ますます激化していくことが予想されます。宇宙空間における覇権争いは、単なる技術的な競争にとどまらず、経済、安全保障、そして国際関係にも大きな影響を与えるでしょう。今後の動向から目が離せません。

海南省文昌市の海南商業宇宙発射場から発射される長征10号 (VCG-REUTERS)

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