救急隊員のミスで指令遅延、心肺停止の男性死亡…消防局が原因究明と再発防止策を急ぐ
2025-05-10
読売新聞
名古屋市消防局は10日、救急隊員の操作ミスにより指令が遅延し、心肺停止状態だった60代の男性が搬送先の病院で死亡するという痛ましい事態が発生したと発表しました。この事故を重く受け止め、消防局は原因究明と再発防止策の徹底を急いでいます。
事態の発端は、10日午前4時29分、名古屋市天白区の男性の家族から119番通報があったことでした。しかし、救急隊員が装置の設定変更を忘れたため、指令が仮眠室に届かず、出動が6分遅れてしまいました。
別の救急隊が現場に到着した際、男性は心肺停止の状態でした。救急隊員による応急処置と搬送が行われましたが、搬送先の病院で死亡が確認されました。この結果を受け、消防局は事故の詳細を調査し、再発防止策を検討しています。
消防局は、医師からも「遅延が傷病者の予後に影響を与えたとは考えにくい」との見解を得ていますが、今回の事故は救急医療体制における課題を浮き彫りにしました。消防局は、同様の事態を防ぐため、装置の操作手順の徹底、緊急時の連絡体制の見直し、そして救急隊員への再教育を強化する方針です。
今回の事故は、救急医療の現場で働く人々の負担の大きさ、そして常に冷静な判断と迅速な対応が求められる厳しい現実を改めて認識させられます。消防局は、今回の事故を教訓に、市民の命を守るため、より一層の安全対策に努めていく必要があります。
今後の焦点
- 今回の遅延が、男性の死亡に直接的な影響を与えた可能性についての詳細な調査結果
- 消防局が実施する再発防止策の内容と、その効果
- 救急医療体制全体の安全性向上に向けた取り組み
消防局は、事故に関する情報を公開し、市民への情報提供を徹底していく方針です。