政府備蓄米の販売加速!米袋・物流業界が急務対応 - 小売店の需要に追いつくか?
2025-06-06
読売新聞
政府備蓄米の店頭販売が本格化し、関連業界がひっ迫した状況となっています。随意契約による販売が進む中、精米に加えて米袋の調達や物流が追いつかず、販売開始が遅れる小売店も出ています。米袋メーカーや物流業者らは、急ピッチで対応に追われています。
大阪市住吉区にある米袋メーカー「アサヒパック」の工場では、従業員が「備蓄米」と印刷された米袋の品質を厳しくチェックし、手際よく段ボールに梱包しています。大手小売店を対象とした随意契約に基づき、大量の米袋が生産されていますが、需要はそれを上回っているようです。
小売店からは「ロゴやデザインがなくても、無地で良いから米袋を確保したい」という声が相次いでおり、メーカーはあらゆる手段で生産能力の向上に努めています。しかし、原材料の調達や人手不足も深刻で、一筋縄ではいかない状況です。
物流業界も同様の課題を抱えています。備蓄米の運搬を担うトラックドライバーの確保や、保管場所の確保が急務となっています。特に、地方の小売店への配送は、時間やコストの面で大きな負担となっています。
政府備蓄米の販売は、食料安全保障の観点からも重要な取り組みです。しかし、関連業界のひっ迫した状況は、今後の販売計画に影響を与える可能性があります。各関係者は、連携を強化し、円滑な販売体制を構築することが求められています。
今後の課題としては、以下の点が挙げられます。
- 米袋の安定供給体制の確立
- 物流コストの削減
- 地方の小売店への配送強化
- 消費者への情報提供
政府備蓄米の販売が、国民の食料への安心感を高め、持続可能な食料供給システムを構築する一助となることを期待します。