半導体輸出への「上納金」要求とは? 米政府、NVIDIAなどにAI半導体売上15%を徴収へ - 貿易摩擦激化の背景

2025-08-12
半導体輸出への「上納金」要求とは? 米政府、NVIDIAなどにAI半導体売上15%を徴収へ - 貿易摩擦激化の背景
朝日新聞

トランプ米政権が、大手半導体企業に対し、中国への輸出を認める代わりに、売上高の15%を政府に支払わせるという前例のない政策を発表し、波紋を呼んでいます。この動きは、米中間の貿易摩擦がさらに激化する可能性を示唆しており、今後の国際情勢に大きな影響を与えることが予想されます。

対象はNVIDIA、AMDなど大手半導体企業

この新たな規制の対象となるのは、米国の半導体大手であるNVIDIA(エヌビディア)とAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)です。具体的には、これらの企業が中国向けに販売する人工知能(AI)向けの半導体の売上高の15%を、米政府に支払うことが求められます。

「ディール(取引)」という異例の措置

政府が企業に対し、規制の免除の見返りとして直接的な金銭的対価を求めるという手法は、極めて異例です。これは、政府が半導体技術の中国への流出を防ぐ一方で、経済的な利益も得ようとする意図の表れと考えられます。しかし、この政策は、企業間の自由な取引を妨げ、市場の歪みを生む可能性も指摘されています。

背景にある米中貿易摩擦と安全保障

今回の措置は、米中間の貿易摩擦が長期化する中で、安全保障上の懸念から強化されるものです。中国のAI技術の急速な発展が、米国の安全保障上の脅威と見なされており、半導体技術の輸出規制はその一環として実施されることになりました。

今後の影響と展望

この政策が今後、他の技術分野にも拡大する可能性があり、米中間の技術競争はさらに激化するでしょう。また、中国企業への影響も大きく、AI開発の遅延や、新たなサプライチェーンの構築を迫られる可能性があります。世界経済全体への影響も懸念されており、今後の動向から目が離せません。

専門家の見解

「この政策は、短期的な収益を追求するのではなく、長期的視点での国家戦略の一環である」とある専門家は分析しています。「中国のAI技術の発展を抑制し、米国の優位性を維持するための、大胆な一手と言えるでしょう。」

まとめ

トランプ政権による半導体輸出への「上納金」要求は、米中貿易摩擦の新たな展開であり、今後の国際情勢に大きな影響を与える可能性があります。この政策が、世界経済にどのような影響をもたらすのか、注視していく必要があります。

おすすめ
おすすめ