【独自】欧州、核の傘に疑問? 米国からの自立を目指す動きか - 山下裕貴氏が解説
フランスのマクロン大統領が欧州諸国との協議を開始した核抑止力の拡大について、元陸上自衛隊中部方面総監の山下裕貴氏と防衛省防衛研究所の山添博史氏が議論を交わしました。BS日テレ「深層NEWS」に出演した両氏は、欧州の安全保障に対する新たな潮流を読み解きます。
長年、欧州の核抑止力は米国による北大西洋条約機構(NATO)を通じて提供されてきました。しかし、マクロン大統領の表明は、この現状に対する欧州の潜在的な不満、そして米国への依存からの脱却を目指す動きを示唆しているのかもしれません。
山下裕貴氏「欧州は米国のコントロールから外れようとしている」
山下氏は、マクロン大統領の表明の背景について、「米国がNATOを通じて核抑止力を提供している現状を踏まえ、欧州は米国のコントロールから外れようとしている」と指摘します。これは、単なる核戦略の変化ではなく、地政学的なパワーバランスの変化を意味する可能性があります。
米国は、長年にわたり欧州の安全保障の要として機能してきました。しかし、近年、米国の国際的なリーダーシップに対する疑念が高まり、欧州各国は自らの安全保障体制を再構築する必要性を感じ始めています。ウクライナ危機は、その必要性をさらに強めました。
核抑止力の拡大は、欧州の安全保障戦略を大きく変えるか
核抑止力の拡大は、欧州の安全保障戦略に大きな影響を与える可能性があります。まず、欧州は自らの核抑止力を構築する必要が生じ、そのためには多大な資金と技術が必要となります。また、核兵器の所有は、国際的な非難を浴びる可能性もあり、外交的な孤立を招くリスクも伴います。
しかし、一方で、自らの核抑止力を持つことで、欧州は米国に依存することなく、自らの安全保障を確保することができます。これは、欧州の外交的な自主性を高め、国際社会における発言力を増すことにもつながるでしょう。
今後の欧州の動向と日本の安全保障への影響
今後の欧州の動向を注視する必要があります。欧州が米国からの自立を本格化させる場合、日本の安全保障にも大きな影響を与える可能性があります。日本は、欧州との連携を強化し、多極化する国際社会において自らの安全保障を確保していく必要があります。
山下氏と山添氏の議論は、欧州の安全保障に対する新たな視点を与え、今後の国際情勢を予測するための重要な手がかりとなるでしょう。