「一帯一路」が再加速! 資源開発へシフトする中国の戦略的野望とは? 米中対立と多極化時代の鍵

2025-08-24
「一帯一路」が再加速! 資源開発へシフトする中国の戦略的野望とは? 米中対立と多極化時代の鍵
毎日新聞

中国経済の減速懸念が漂う中、巨大経済圏構想「一帯一路」が再び勢いを増している。最新の報告書によると、2025年上半期には過去最大の1240億ドル(約18兆4000億円)規模の新規投資と建設契約が締結されたという。これは、中国が経済戦略を転換し、資源開発への注力を強めていることを示唆している。

一帯一路、過去最大規模の投資

オーストラリアのグリフィス大学と中国の復旦大学が共同で発表した報告書は、一帯一路構想における投資の規模と方向性について詳細な分析を提供している。2025年上半期の新規投資と建設契約の総額は1240億ドルと過去最高を記録し、特に資源開発関連プロジェクトへの投資が大幅に増加していることが明らかになった。

資源シフトの背景

中国が資源開発に注力する背景には、いくつかの要因が考えられる。まず、中国経済の構造転換が進み、製造業中心の成長から資源依存型へのシフトが加速している。また、米国との対立が激化する中、資源の安定確保は国家安全保障上の重要な課題となっている。さらに、世界的な多極化が進む中で、一帯一路構想は中国の国際的な影響力を拡大するための戦略的ツールとして、その重要性が再認識されている。

新たな展開と課題

一帯一路構想は、当初はインフラ整備を中心とした経済協力プロジェクトとして推進されてきた。しかし、近年は資源開発、エネルギー、鉱業といった分野への投資が拡大しており、その戦略的意義が深まっている。一方で、債務問題、環境問題、地政学的リスクなど、一帯一路構想が抱える課題も依然として存在する。これらの課題を克服し、持続可能な発展を実現するためには、国際社会との協力が不可欠である。

多極化時代の鍵となる一帯一路

米中対立が激化し、世界経済の多極化が進む中で、一帯一路構想は中国にとって重要な戦略的資産となっている。資源の安定確保、経済圏の拡大、国際的な影響力の強化など、中国が目指す目標を達成するための鍵となるだろう。しかし、その成功には、国際社会との協調、透明性の確保、そして持続可能な発展へのコミットメントが不可欠である。

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