チケット高額転売の実態と対策:不正転売禁止法からネット取引への課題

2025-03-19
チケット高額転売の実態と対策:不正転売禁止法からネット取引への課題
読売新聞オンライン

スポーツ観戦チケットの高額転売、依然として深刻な問題

日本のスポーツ観戦チケットの高額転売は、依然として後を絶たず、多くのファンや競技団体に深刻な影響を与えています。特に、インターネット上での不正な取引は、取り締まりの難しさから、悪質な業者が巧妙な手口で高額転売を繰り返しており、状況は深刻さを増しています。

不正転売禁止法とは?施行から6年の課題

興行主の同意を得ずに、チケットを営利目的で高額転売することを禁じる「チケット不正転売禁止法」が施行されてから約6年が経過しました。しかし、この法律の効果は限定的であり、ネット上での取引は依然として規制が緩く、悪質な業者は巧妙な手口で高額転売を繰り返しています。例えば、bot(ソフトウェアロボット)を使った自動購入や、個人情報を不正に入手して転売するケースも確認されています。

ネット取引の現状と問題点

SNSやフリマアプリ、オークションサイトなどを利用したチケット転売は、匿名性が高く、発覚が困難なため、不正な取引が横行しています。また、転売サイトの中には、高額な手数料を徴収したり、チケットの真正性を保証しない悪質な業者も存在し、ファンに大きな経済的負担を強いるだけでなく、詐欺被害に遭うリスクも高まっています。

競技団体や関係者の対応

競技団体やプロスポーツチームは、チケットの購入制限や本人確認の強化、不正転売情報の監視など、様々な対策を講じていますが、ネット上での取引を完全に防ぐことは困難です。また、警察による取り締まりも行われていますが、悪質な業者は巧妙な手口で逃れようとするため、効果は限定的です。

今後の対策とファンへの注意喚起

チケット不正転売の問題を解決するためには、法規制の強化、インターネットプラットフォームの協力、そしてファン自身の注意が必要です。具体的には、以下の対策が考えられます。

  • 法規制の強化:不正転売に対する罰則を強化し、抑止力を高める。
  • インターネットプラットフォームの協力:SNSやフリマアプリ、オークションサイトなどが、不正転売情報を共有し、アカウントの停止などの措置を講じる。
  • 本人確認の徹底:チケット購入時に、氏名や住所などの個人情報を確認し、転売を防止する。
  • ファン自身の注意:高額なチケット転売には注意し、正規の販売ルートで購入する。

スポーツ観戦は、多くのファンにとって大切な体験です。チケットの高額転売を根絶し、誰もが安心して観戦できる環境を整備することが、私たちに課せられた課題です。

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